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コラム①地域の力を活用して脱炭素社会を実現する!その主役は「地域再エネ会社」である。

「地域に根差した脱炭素事業を通じて、富の地域循環を導き新たな雇用を創出する、地域で生まれた環境価値が域内循環してSDGsドミノが生まれる」、そんな夢のようなビジネスモデルがあるだろうか?

 いわゆる「地方創生型・地域脱炭素社会」を実現する、そんな都合の良い施策って本当にできるのだろうか? 答えは「Yes」である。 地域の担い手が結集して設立する「地域再エネ会社」がこの夢を実現してくれる。

 

「地域再エネ会社」と聞いて、「地域新電力」を想像された方も多いと思う

 得られた事業収益を、地域の課題解決にむけ地方創生を成功に導く、そんな大きな期待を担い設立された、かつての「自治体新電力」と目指すところは同じ。ただし、この会社は「電力小売り」をしない。そもそも、この「地域再エネ会社」には電力特有の事業リスクがないのである。エネルギーの素人である地域の担い手でも簡単に取り組める、いや逆に地元の担い手だからこそ取り組める、自家消費型太陽光の普及専門会社を「地域再エネ会社」と定義する。

 

 モデルの特徴は、地域企業の屋根上に自家消費型太陽光を費用負担ゼロで設置し、電力削減 (「▲電気代」>「返済額」)効果を創出する「イニシャルレス太陽光導入スキーム」を展開する専業会社である。

 

 筆者は、2011年、これとよく似たモデルで、今で言う「オンサイト型PPA事業モデル」を開発し、とある自治体の環境特区構想域内でモデル展開した経験がある。その後、全国自治体と同様モデルを50か所展開してきて言えることが一つある。「あのモデルは地域の中小企業むけにはオーバースペックである!」。というのも、事務作業が極めて煩雑、かつ事業資金の管理リスクが大きく、事業者としての採算性を考えると実のところ規模の小さい案件は敬遠したい、というのが本音である。

 

 自治体は、地域の脱炭素実行計画2030年中期目標達成にむけ効果的な施策を打ち出し、地域の担い手が主体となって富の地域循環を生みだす実効性のあるモデルを推進サポートしていかねばならない。その有力な施策・事業モデルの一例として、「地域再エネ会社」設立を提唱する。

 

 自らPPA事業を研究、開発、展開してきた「エネルギー事業者の視点」で、PPAモデルの事業者リスク、そこから生じる地域再エネ普及にむけての課題、さらには、課題を克服すべくPPAモデルの余分を削り、リスクも最小化した新たな事業モデルなど、事例をベースにノウハウとスキルをこれから発信していきたい。

 

「地方創生型・地域脱炭素社会」実現のため、いかに「地域再エネ会社」の設立が必要であり、自治体に、その設立支援が求められているか、コラム連載でお伝えする。区域施策編の立案、実行支援施策策定の参考にしていただければと祈念して。

 

 

RDo 代表理事    境 内  行 仁